蓄音器コンサート「100年前の蓄音器で聴く歴史的名演」
歴史的な音楽の魅力を蓄音器の音色で堪能する特別なコンサート。古典鍵盤楽器技術者の梅岡俊彦氏が、100年前のクラシックやジャズ、日本のコミカルバンドなどの貴重な音源を使用し、音楽と歴史を紐解くレクチャーと共にお届けします。蓄音器が奏でる当時の空気感と映像や音源資料を交えた講演で、音楽の奥深さを体感してください。
2025 2/1(Sat.) 15:00〜19:00
第1部 「巨匠がいた時代」~百年前のクラシックの名演を聴く~
開場 14:30〜 開演15:00〜16:30
第2部「100年前のグルーブを聴け!」~ポピュラー音楽の源流を訪ねて~
開場 17:00〜 開演17:30〜19:00
料金
入場料+1ドリンクオーダー(ドリンク別)
1部のみ ¥1800-
1部2部両方 ¥3,000-
学生割引
1部のみ ¥1300-
1部2部両方 ¥2,000-
蓄音器サウンドの魅力
19世紀半ば、会話や音楽を記録し再生できる装置の開発が始まりました。音の振動を溝に刻み込み、針でその溝の凹凸をなぞることで振動を拾い、再生するという仕組みが19世紀末にエジソンらによって実用化され、「フォノグラフ(蓄音器)」として発売されました。この「針で溝をなぞって音を再生する」方法は、19世紀末から20世紀後半のLPレコード時代まで、約100年間にわたり使用され続けた画期的なシステムです。針で拾った振動は非常に小さいため、19世紀末から1920年代までの蓄音器では、その小さな振動をラッパ式の拡声装置を通して、電気を使わずに音量を増幅し、録音を再生していました。このような装置は「アコースティック蓄音器」と呼ばれます。初期の蓄音器は、録音も再生音も不鮮明でしたが、家庭で手軽に音楽を何度も鑑賞できる点が人々に歓迎されました。20世紀に入ると、録音や再生技術が進歩し、電気を使わなくても生演奏に遜色ないほど鮮明な音質で音楽が再生できるようになりました。1920年代半ばには、電気による音量増幅システムが開発され、その利便性が広く受け入れられたことで、電気再生の蓄音器が急速に普及しました。しかし、一部には電気再生の音に違和感を覚え、アコースティック再生のほうが優れていると主張する人々もいました。こうした人々の要望に応えるために特別に開発されたのが、英国EMG社の蓄音器であり、これは「最後のアコースティック蓄音器」とも呼ばれています。
デジタル時代のサウンドとは全く異なる、蓄音器の「生々しくも暖かみのある音色」を、ぜひ間近でお聞きください!
会場
FRAME in VOX
〒604-8031
京都市中京区河原町通三条下ル大黒町44 河原町VOX 3F
※MEDIA SHOP前(建物に向かって左側)の階段またはエレベーターにて、3Fまでお上がりください。
京阪線三条駅6番出口より徒歩5分
地下鉄東西線三条京阪駅2番出口より徒歩5分
阪急線京都河原町駅3B出口より徒歩7分
※駐車場・駐輪場はございませんので、近隣の有料パーキングをご利用ください
プログラム紹介
第1部「伝説の巨匠がいた時代」
~百年前のクラシックの名演を聴く~
今から約100年前、20世紀前半の欧米のクラシック界は多くの名演奏家が競い合う円熟期とも言うべき活気溢れる状況でした。当時のトップ奏者達は名曲が次々と生まれた19世紀の演奏スタイルを継承していた歴史的証言者でもありました。
現代とは全く違う演奏スタイルには驚かれると思います。
今回は20世紀前半のクラシックの名演奏家の歴史的名演をたっぷり聴いて頂きます。
演奏予定
サラサーテ
19世紀のヴァイオリンの巨匠
チゴイネルワイゼンの作者
エンリコ・カルーソー
20世紀前半を代表するテノール歌手
フリッツ・クライスラー
20世紀半ば人気No.1のヴァイオリン奏者
大正時代に来日
アルフレッド・コルトー
フランスのトップピアニスト ショパンの名演多い
etc.
エンリコ・カルーソー
第2部「100年前のグルーブを聴け!」
~ポピュラー音楽の源流を訪ねて~
20世紀前半はクラシックの円熟期と共にポップスの創世記とも言える時代でした。アメリカでジャズが生まれ多くの名演奏家がレコードに名演を残してくれました。またタンゴやシャンソンなどアメリカ以外でも多彩な音楽が生まれています。
今回はジャズやタンゴなど初期20世紀ポップスのグルーブ感溢れる演奏を堪能して頂く予定です。
また当時早くも日本に渡って花開いた和製のグルーブ演奏も披露の予定。
演奏予定
チャーリー・パーカー
20世紀を代表するサックス奏者
ビリー・ホリディ
20世紀を代表する女性ジャズシンガー
タンゴ、和製ジャズ等 etc.
ビリー・ホリディ
講師紹介
梅岡俊彦
梅岡楽器サービス代表。兵庫県生まれ。10代よりロックや演劇など幅広いジャンルの舞台製作に関わる。1980年より神戸の(有)ピアノ技研でピアノ・オルガンなどの調律・修理の技術を習得後85年に独立後はチェンバロ等の古楽器の技術を国内外で独自に習得。古楽器から現代まで幅広くこなせる鍵盤楽器の技術者として国内外の著名な演奏家のコンサートやCDの録音等に数多く参加。近年は日本古楽史の研究、蓄音器による歴史的演奏の紹介などでも活動中。京都市芸術大学非常勤講師。